古民家が好きなもえは今回、隠岐の島町へ行くということで、是非見学してみたかった佐々木家について書きます。

佐々木家は隠岐最古級の木造住宅です。

天保7年(1836年)に建てられた、杉皮葺き石置き屋根の切妻平屋建て木造住宅で、3ヶ所に設けられた戸口など隠岐独特の特徴があり、島内の他の民家にも共通して見られるところから、「隠岐造り民家」とも称されます。平成4年には国の重要文化財に指定されました。

3ヶ所ある入口は、一番上手から玄関、中戸口、戸口と呼ばれており、玄関は代官、神官、僧侶など身分の高い客の出入り口と定まっていたそうです。縁側がない為、ひじ掛け想い窓というなんとも風情な窓から外の景色を楽しんだようです。

もう一点、特徴がある点としては天井が2重になっており、2重になっている分、経費はかなりかかるそうですが夏は涼しく、冬は暖かいという利点があるそうで、財力の表れでもあるかと思いました。

また、杉の皮は剥がれやすいので、畳に落下してくるのを上の天井で防ぐという効果もあったようです。

天井下に目線を移すと、無双窓があります。無双窓とは、窓の形式の一つであり、竪(たて)板をその幅だけ間をあけて、打ちつけた連子(れんじ)二つを前後に並べ,外側を固定し,内側の連子を左右に移動可能としたもの。板のすき間を全開して,採光,通風,眺望に使用できるものです。見学している間、心地良い風とともに、ホトトギスの良い声がこの無双窓から聞こえてきて、しばしの間、耳を傾け、楽しみました。

私が一番、興味を持っていた杉皮葺きの屋根は、三枚づつ重ねており、これらを押さえる屋根石は八百個を必要とします。この屋根を拝見したかったのですが、ガイドさんに「屋根について詳しく教えてください」と言ったところ、なんと特別に登らせていただきました!!

※今回は屋根をじっくり見学したいという意図のもと、特別にご配慮いただきました。

横一列に敷かれた杉の皮の上下に縦半分に切った竹を置き、縦一列に置かれた石はどの石もほぼ均一な大きさです。実際に間近で見てみると、その統一された配置にも美を感じます。掲載した写真は、杉皮葺石置き屋根を近影した珍しいものかもしれません。隠岐の島町には、杉が多く自生していることから杉皮葺を使用しているのかと思いましたが、一般の家では茅葺が流通していたようです。隠岐の島町の木材は遠く関西などで良質と珍重されたそうなので、この杉皮葺も財力の表れと考えられるかもしれません。

他にも黒曜石でできた碁石だとか、隠岐の島町の自然の恵みならではの財力の極みを感じる珍しい品が展示してあります。

古民家は様々な場所にありますが、その土地の風土や風習に沿ったものを観るのも旅の醍醐味だなと改めて感じました。予約制で隠岐の郷土料理を味わうこともできるので、次回は是非、味わってみたいです。

施設詳細はこちら(隠岐広域観光情報提供サイト e-oki.net)からご確認ください。

「佐々木家住宅正面」の拡大写真

「表玄関」の拡大写真

「2重の天井」の拡大写真

「ひじ掛け想い窓」の拡大写真

「杉皮葺石置き屋根」の拡大写真

「屋根の頂点部分」の拡大写真