湿地・・・湿地・・・

みなさん、"湿地" と聞くと、どんなところを想像されるでしょうか。

しっとりとした沼地に、珍しい草花が生い茂る湿原。
標高が高くひんやりと涼しい。手付かずの自然が残された、空気の綺麗なところ。
木製の遊歩道があって、草花を観ながら散策を楽しむことができる。
静かで、潤いに満ちて...歩くだけで気持ちが良さそうな...
なんだかとっても、癒されそうな場所。

標高450mと県内でも代表的な高地に位置する自然豊かな飯南町には、そんなイメージにぴったりな湿地があります。

赤名湿地

赤名湿地。正式名は、『赤名湿地性植物群落』。
名前の通り、珍しい湿地性の植物たちがたくさん集まる場所です。

県下最大のハンノキ林と、その林下に貴重な湿地性植物が広がる赤名湿地は、島根県自然環境保全地域にも指定され、大切に守られています。

たくさんの、湿地特有の草花が生きる場所。
春はミツガシワ、リュウキンカ。夏にはトキソウ、ノハナショウブ、カキラン、ハンカイソウ、ミズチドリ。初秋にはヒツジグサ、サギソウ、モウセンゴケ、サワギキョウ、コオニユリが咲き...。秋はマアザミが湿地一帯を赤紫に染め...冬にかけては美しい紅葉が...。その他多数の植物たちが、代わる代わる色付きます。

私たちが出かけたのは、ミツガシワの季節。
赤名湿地は、自生地最西限と言われるミツガシワの群生地。白色の可愛らしいお花を咲かせるミツガシワは、氷河期に多く生息していた植物なのだそう。1万年も前から変わらずに残る品種はとても珍しく、分布限界の赤名湿地になぜ大群落を成しているのかということも解き明かされていないのだそうです。

そんな不思議がいっぱいの赤名湿地を、ゆったり散策です。 

「赤名湿地入口付近の林道」の拡大写真

「林道から見る赤名湿地」の拡大写真

「赤名湿地 木道の始まり」の拡大写真

林道を少し進めばそこには、想像した通りの木製の遊歩道。
ひんやり、しっとりとした湿原。間もなく現れる、ミツガシワを探し歩きます。
             赤名湿地(木道)   リュウキンカ(キンポウゲ科)

黄色いお花「リュウキンカ」も咲いていました。

リュウキンカも、この赤名湿地が最西限。
西日本では珍しい花なのだそうです。

赤名湿地の木道(ミツガシワの花)ミツガシワです。
ミツガシワ(ミツガシワ科)

訪れたのは5月初旬。

今年(2016年)は開花時期が早かったのか、お花が少しずつ終わりを迎え始めていましたが、それでも充分。

見れば思わず微笑んでしまう、可憐なお花です。


貴重な植物たちを眺めながら進むこと約15分。
「長尾池」が見えてきました。
ここに広がるのが、ミツガシワの大群落です。
赤名湿地(長尾池)
こんなにたくさん集まって、ヒソヒソとお話しでもし始めそう。
「誰か来たわよ。ほら、静かに。」 なんて、1万年前から続いているかもしれません。

赤名湿地(長尾池)"ひっそりと"という表現が似合う場所ですが、湧き起こる確かな生命力に圧倒もされます。そんな何とも言えない心地の良い不思議な感覚にぐっと浸って...しばらく池を眺めていました。
赤名湿地(木道)

ふっと心が鎮まるような、
他にはない、静かで趣のある景色です。

赤名湿地の瑞々しい空気をいっぱいに浴びて深呼吸をしたら、「明日からもまた頑張ろう!」という気持ちが湧いてきました。この空気を是非、味わってみてください。

赤名湿地の木々自然の宝庫、赤名湿地には、体長15mmの幻のとんぼ「ハッチョウトンボ」も生息しており、運が良ければ夏頃に見ることができるそうです。

遊歩道をひとめぐりで約30分。もっとのんびりしたかったなぁ。
清々しい空気の中で、心がひたひたに潤うような、しっとり、ひっそり、癒しの散策でした。

☆赤名湿地性植物群落について⇒飯南町観光協会 さとやまにあ『赤名湿地性植物群落』

「赤名湿地の木道を歩く」の拡大写真

「ミツガシワの花(見頃:4月中旬~5月上旬)」の拡大写真

「」の拡大写真