悠揚な山並みの島根半島北山。その一角をなす旅伏山と、その麓にある康国寺の庭園へ行ってきました。

旅伏山登山と康国寺庭園の組み合わせは、知る人ぞ知るリフレッシュコース!
体を動かした後は、しずかに心と体を休めるとスッキリしますよ。

まずは旅伏山の紹介から。
出雲市国富町にそびえる標高406mの山。中国自然歩道として整備されており、1時間ほどで山頂に到達することが出来ます。出雲に住む人々にはなじみのある山で「子どもの頃に登ったよ。」「ああ、平田の旅伏山ね!」という具合に身近な存在です。

そして、康国寺は、南北朝時代に創建されたという古い歴史を持つ出雲の名刹です。
見事な庭園と清閑な雰囲気が持ち味で、「ぜひ来てほしい観光地!」というより、「訪れたらきっと気に入る素敵な場所。」として紹介したいお寺です。

さて、ここからは、実際に訪れた時の感想と写真を織り交ぜつつ記していきます。

出雲市国富町、金山登山口。
さすがは島根県中国自然歩道の一つ。看板や水場、駐車場がしっかりとありますね。
3.鰐淵寺・大社・立久恵コース (旅伏山・鰐淵寺モデルコース)のパンフレットはこちら からご覧いただけます。

それでは登山道へ入っていきますよ。

登山口

山道がしばらく続いて、前方に鹿防止フェンスが現れました。野生の鹿の目撃情報が多数ある地域です。
基本的に人間の気配を察知して逃げていきますが、心していきましょう。

登山道
登山道

鹿の防護柵
鹿よけの防護柵

見上げるような角度のある階段。ここはすこしつらく感じました。

見上げるような階段 

このあたりで蜂を目撃。黒っぽい洋服は避けたほうがよさそうです。

蜂に注意 

急に現れる竹林ゾーン。

竹林 

こちらは都武自神社。紅葉が素敵な開けた場所にありました。すこし自然に還っているような、町中にある神社とは異なる雰囲気を醸していました。 

都武自神社
都武自神社

都武自神社階段と紅葉
 都武自神社階段と紅葉

・・・

神社を過ぎると、空がぐんと近づいていよいよ頂上に到達です。

ここで明かされる旅伏山に登る理由、それは、出雲一望の絶景が待っているから!

どこまでも見渡せるのでは・・・と暫し無言で見入ってしまったほどの素晴らしさ。
低山と言っても山。ここまでの道のりで溜まった疲労感も消し去る達成感が味わえました。

旅伏山山頂から 

宍道湖、出雲平野、斐伊川、三瓶山・・・雄大な自然とともに、築地松や出雲ドームなど地域の歴史文化も感じられます。
タイミングが合えば、一畑電車がトコトコと走っていく様が見れます。まるでジオラマのようで、電車好きの方にもおススメしたい光景です。

旅伏山山頂から2 

そして、特筆すべきは頂上の環境の良さ!

芝生が広がる気持ちのいい場所です。東屋やベンチもあって気が利いています。たっぷりくつろいでから下山しましょう。

旅伏山山頂

旅伏山山頂から3 

山頂でゆっくりとしていると、「お散歩がてら登ってきた。」という、おばあさんとの交流もあり、地元の方との交流も楽しい登山でした。

・・・

さて、旅伏山を下山したら康国寺へ。旅伏山登山口駐車場からおよそ300mという近さです。
お寺の方に観覧の旨を伝えて通された一室からは、体に染み入るような日本庭園が広がります。
江戸後期、天保の時代につくられた庭園は、現代人でもほっと落ち着くような心地。
松江城藩主のお抱えであった庭師が3年かけて作り上げたその結晶と、いまこの瞬間がうむ美しさに瞠目です。

康国寺

内観

康国寺庭園 

訪れたこの日は、池に鴨が群れをなして「ぷかりぷかり」と漂って、秋の穏やかな日をさらになごませてくれましたが、庭園を取り巻く豊かな自然から、季節ごとに印象も変わることが想像できました。

 池のカモ

先ほどまで登っていた旅伏山を借景に池、白砂、飛石、植物が配置された庭園からは、登山とは違った山の楽しみ方が出来ましたよ。

島根県は神話のふるさと。壮大な斐伊川も、そびえる三瓶山も日本の神話に登場しています。
通り過ぎてしまうような風景も島根を構成する大切な要素。遥か昔を想像しながら出雲をじっくり眺めてみませんか。

旅行をより豊かなものにする素敵なコースをご紹介しました。