海に浮かぶ?衣毘須神社
2016年07月25日
益田の海の美しさを知っていますか?
小浜海岸の海の碧色は、東山魁夷が皇居の壁面画「朝明けの潮」のモデルとしたほどの素晴らしさ。是非一度、訪れてみてください。
今回は、益田市でずっと気になっていた場所。『衣毘須(えびす)神社』へ出かけてきました。
”海と神社とどんな関係が?”、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、この神社があるのは『宮ヶ島』という岩礁の上。衣毘須神社は、碧色の美しい海に浮かぶ神社なのです。
それでは、どうやって島へ渡るのか?
・・・それはもちろん、"歩いて"です!!
日本海を望む小浜海岸の先にある宮ヶ島。
島に通じる砂浜は、海が荒れたときや大潮のときには海の底になるのですが、潮が引いているときは、そこを歩いて行くことができるのです。
天候や潮位の変化によっては参ることのできない珍しい神社。
そこにお参りすることができたなら、それだけで特別な気持ちになれるのでは?
天気だけはどうにもなりませんが、何としてでも渡りたい私たちは、気象庁の潮位予測を参考に、確実に行けるであろう干潮の時間帯に見当を付けて計画を練りました。
【気象庁>潮位表(中国地方)】(※地点は「浜田」と「須佐」を参考にしました。)
計画の甲斐あってか、私たちの想いをえびす様が聞いてくださったのか?すっきりとした晴天の下、目の前に砂浜の参道が出現していました!!
砂浜の参道を歩き、神社へ向かいます。
砂利の多い砂浜は神社の参道に相応しく、そこにもちょっとした感動があります。
この参道が海の中にあったかと思うと...もう、なんという神秘なのでしょう!
感動を踏みしめつつ、宮ヶ島の入口へ。
砂浜と繋がる一の鳥居のある場所以外、島の周囲は海水が打ち寄せています。
鳥居を潜り、階段を上がると、二の鳥居の先に赤い石州瓦のお社が姿を見せます。天気の良さも相俟ってか、どことなく南国を思わせるような雰囲気がありました。
中央の鯱が、あまり見たことのない面白い形をしていました。参拝される際には、是非、注目して見てみてくださいね。
お祀りするのは、大漁追福、商売繁盛、五穀豊穣の神"えびす様"として有名な神様。松江市美保関町の美保神社を本宮とする事代主命(コトシロヌシノミコト)の分祀です。
礼拝を終え、境内からまわりを見渡してみました。
えびす様がご覧になっている景色。本当に綺麗な海です。
西には、人形峠で見た三角形の『三生島』。二の鳥居の先に見えるは、・・・スフィンクス?!
宮ヶ島からの景色(三生島は右側)
二の鳥居からの景色
これは、『猫島』と呼ばれる岩礁。猫が背を丸めているようだからと、その名が付いたそうです。
自然の浸食がこんな形で奇跡を生むなんて。まるで衣毘須神社を守っているかのよう。
こんなに大きな猫さんがいれば、えびす様もさぞご安心でしょう。
海に浮かぶ神社へお参りしたら、これまた不思議な猫島に出会うことができました。
島を後に、砂浜の参道を戻ります。
小さな冒険の成功を祝して...
『ま・ち・ナ・ビ』。見えるでしょうか?
石の文字は波に消えても、ここで見た景色は、心にずっと留めておきたいものです。
小石で書いた『ま・ち・ナ・ビ』
宮ヶ島・衣毘須神社は、自然の美しさと神秘とに触れることのできる、想像していた以上に格別な場所でした。
宮ヶ島・衣毘須神社
<JR「戸田小浜駅」から飯浦方面へ約1.5km。徒歩17分程かかります。>
(注意)
潮位は時間ごとに変化します!
行ったのは良いが、潮が満ちて帰れなくなった!!ということがないようお気を付けください。
衣毘須神社・益田市の観光について、詳しくは(一社)益田市観光協会へお問い合わせください。
戸田小浜海岸(右側にチラリと猫島が見えます)