半島をススメ【遊歩道・五本松公園~美保関灯台コース】
2016年08月08日
しまねまちナビでは『中国自然歩道 島根県ルート』のパンフレットを提供しています。
ある日 私たちも歩いてみよう!と思い立ち、全12コース37モデルコースの中から選んだのは、
比較的コースが短く高低差も少なくて(楽そう・・)、しかも半島の先端ほぼ真ん中の高い所を横断する楽しそうで心惹かれるルート。
それは、
1-1 中国自然歩道 美保関・大平山コース
五本松地蔵崎歩道 地蔵崎園地⇔五本松公園(約4.0km・徒歩約80分)!!
"コースの概要"によると、
■五本松地蔵崎線歩道
五本松地蔵崎線歩道は、美保関灯台のある地蔵崎園地と関の五本松で知られる
五本松公園とを結ぶ自然歩道です。
途中の東屋から青い海を一望することができ、起伏もそれほど激しくない歩きやすいコースですので、中国自然歩道に指定されていませんが併せてご紹介します。
とあります。
ん?・・あれ? 中国自然歩道に指定されていない・・?!
私たちは "じゃない" 道、"その他のトレッキングコース" を行ったのですね。
・・・ということに実は後で気づきました。地図はよく読みましょう。
(島根県の中国自然歩道)※パンフレットも見ることができます。
ともあれ、目指したのは松江市美保関町!
北を日本海、南側を美保湾・中海・宍道湖に囲まれている島根半島。美保関町はこの島根半島東端のまちです。
島根半島の両端、西に出雲大社(出雲市)、東に美保神社(松江市)が鎮座して、昔から出雲の国を守ってくださっているといわれています。また出雲大社のだいこく様と、美保神社のえびす様は親子の神様で、両参りするとよいともいわれています。
えびすだいこく両参り(美保関地域観光振興協議会公式ホームページ)
「島根半島の生いたち」案内板
JR松江駅から美保関ターミナルまでバスでおよそ45分。そこから美保関コミュニティバスに乗り換えおよそ30分。『五本松公園入口』バス停で降りました。
五本松公園入口
五本松公園・地蔵崎遊歩道案内図
五本松公園から美保関灯台のある地蔵崎園地へ向けて歩きます。
コミュニティバスは灯台までは行かないので、公共交通機関で行く場合は、行きか帰りどちらかはバス停と灯台との間を歩くことになります。
私たちはゴールを灯台側に設定し、"美保関灯台ビュッフェでランチ"という"にんじん"をぶらさげることに。そのおかげで前へ前へ歩を進めることができました。
・・なんてね。 いざ歩き出すと、このコースの魅力が力をくれましたよ。
それでは出発!
ここに看板があります。"五本松リフト休止・徒歩20分"。
ん 選択の余地なし。
五本松公園への階段
まずはおよそ125mくらい高いところにある五本松公園を目指し、階段の上りから始まります。
むむ キツい。これは運動不足がたたった個人の感想です。
「初代関の五本松」の前に来ました。
初代関の五本松と看板
「関の五本松節」の由来を説明する看板
関の五本松
その昔、ここに立っていた五本の松は、漁師や美保関を行き交う船の目印として活躍、民謡にも歌われるなど親しまれていました。台風や松喰虫の被害などに遭い、今となっては同じようにみることはできませんが、木の根元と幹もいくらかの高さが残っています。
更に階段を上がっていくと、美保湾を見下ろせる場所に着きました。東屋もあります。眺めていると、風待ち港として栄えた往時の賑わいが偲ばれるようでした。
関の五本松公園についてはこちら(美保関地域観光振興協議会公式ホームページ)
公園まであと一息
五本松公園から美保湾を望む
五本松公園
五本松公園奥にある朱塗りの鳥居をくぐるとそこからの道はいよいよ山道らしくなり、始まる!という実感が湧きます。
100m程行くと御穂社があり、お参りしてその先へと進みます。
鳥居をくぐって遊歩道を進みます。
御穂社
五本松公園入口からの、コース全体の高低差は200m程度。
頂上を目指す山登りと違い、上ったかと思うと下ってまた上りになったり、うれしい平坦な道あり・・・と、変化があって楽しい。
上りはキツいのですが・・
下り道もあれば
平坦な道もあります。
上りはキツイけれど限界の少し手前で下りか平坦になるので
体を動かしている充実感と眺望を楽しむ余力が(なんとか)残っていました。
途中十字路があります
このコースの最も高いポイントは馬着山頂上、標高210mの地点です。
視界が開けました
このコース最高地点 210m
中央あたり海の部分、黒い点にみえるのはトンビです
晴れて条件が整えば隠岐の島も見えるはず
ここは日本海の方を見せてくれる、明るく開けた場所。ベンチがあるので、しばらく体を休めて先へ進みました。
先はまだ長い
やがて、美保関町のまち並みを眼下に望める場所を見つけました。
こんなふうに見るのは初めて。
眺望を楽しんでいると、近くに翼を広げて気持ちよさそうなトンビが見えます。
私たち同じ高さにいるんだ。
トンビの視点からは美保湾、弓ヶ浜半島(鳥取県境港市市街地)、中海、大根島(松江市)、嵩山・・・
反対側には日本海の大海原に、晴れて条件が整えば隠岐の島だって見られるのです。
木々に囲まれながらもうっそうとした感じはなく、
気持ちのいい影や陽が交互に差し込む、気持ちがよくて明るい道でした。
光が差しこむ明るい道
光が差しこむ明るい道
そして時折右に左に海が見えるのです。山を満喫しながら両側に海。
半島の地形ならではですよね。
隠岐諸島と本土を結ぶフェリーが見えました
休んだり景色を楽しみながら、私たちはおよそ100分・・1時間40分かけて歩いてきました。
ゴール地点の地蔵崎園地からは美保関灯台が見えています。
島根半島西の端にある出雲市の出雲日御碕灯台が日本一の高さなら、
東の果てにある美保関灯台は山陰最古を誇る灯台です。
美保関灯台
美保関灯台
清々しい気持ちで青空に映える白亜の灯台へ向かい、
すぐ横にある「美保関灯台ビュッフェ」で、日本海を眺めながらランチをいただきました。
美保関灯台ビュッフェ玄関
いか丼
条件が整えば隠岐諸島が見えます
灯台からまちのバス停までは下り道です。この道は"しおかぜライン"と呼ばれています。
中国地方最高峰 大山を望める
車の通行に注意して進みましょう
道々中国地方最高峰の大山(鳥取県)など美しい眺めについ目を奪われますが、
車道と歩道の段差はないので車には十分気をつけなくてはなりません。
まちに戻ってきました
まちに戻ってきました
美保神社にお参りして無事のお礼を伝え、今回のまち(山)歩きを締めくくりました。
想像以上にとても充実した日となり、すっかりリフレッシュしている自分に気が付きました。
美保神社
美保神社
美保神社
さっきまであの山のなかにいて、こちらを見下ろしていたんだ・・・
帰りのバスを待ちながら見上げた先に、空高くトンビが舞っていました。