秋色の美郷町 一番に見せたい景色。〈番外編〉
2018年12月14日
〈本編〉では、美郷町の一番に見せたい景色として、田之原展望台をご紹介しましたが、ここからは、その後にスタッフが訪れた、町内の紅葉の名所をご紹介したいと思います。
11月下旬に差し掛かった頃だったので、盛りは過ぎていましたが、本当に素敵な場所ばかりでした。
是非、紅葉の時期に思い出して、足を運んでみていただけたらと思います。
松尾山八幡宮
旧JR三江線石見都賀駅から約200m。
松尾山八幡宮 参道の階段
松尾山八幡宮 境内
散ったモミジが参道を彩り、境内にはイチョウの絨毯が敷かれていました。
松尾山八幡宮は、隋神門、拝殿ともに、白壁に神紋が印象的な、綺麗な神社でした。
毎年10月の例大祭では、数千本の竹灯籠を灯し、夜神楽を奉納する、「伝統芸能と光の祭典」が開催されるところ。
境内の奥には、神楽殿と、客席と思われるいくつかの段もありました。
さらに背後には、多くの古木が息づく森が...。
この都賀本郷という地域は、出雲大社本殿の心御柱が切り出された地でもあるのだそうです。
境内の一角から、今年廃線となった三江線の線路と、その先に流れる江の川が見えました。
"もう少し、この場所にゆっくり留まっていたかったなぁ"と、振り返り思います。
数千本の竹灯籠も見に来てみたい。
ですが、静かなときにふと訪れるのもまた、おすすめしたいところです。
松尾山八幡宮 参拝を終えて降りる、もみじの階段
国道375号線を江の川に沿って次の地へ直行!・・・のはずが?
秋の山を映す穏やかな江の川の美しさに、思わず車をとめて、少しだけ・・・。
それから訪れたのは、同町浜原地区の妙用寺。
以前、桜の名所としてもご紹介した妙用寺ですが、秋にはモミジも見られるんですよ。
(妙用寺の桜については、2015年4月20日『桜の名所をご紹介』でレポートしています。)
階段を登ると、山門の下にベンチが。向かい合わせに並んでいました。
ここは、地域の方々の憩いの場所でもあるのでしょうか。
境内のモミジに、本堂後ろの山々。紅葉が鮮やかでした。
ミョウヨウジザクラ(島根県指定天然記念物)
妙用寺から見る美郷の町
春の桜だけでなく、ツツジや藤の花も楽しむことができるそうです。
そしてそして!
お昼に美郷町の名物、山くじら(イノシシ)ハンバーグを堪能したら・・・
江の川から少し離れて、県道166号線を進み、沢谷地区の沢谷交流センターへ。
ここには、『学舎のイロハモミジ』という有名なモミジの木があると聞き、行ってみました。
沢谷交流センターは、平成16年3月に閉校した沢谷小学校の跡地の一部です。
校舎から校庭へ降りる階段の側に、その木はありました。
その大きさ、推定樹齢150年、幹周は約3m、樹高10m、枝張り18m。
日本のモミジを代表するイロハモミジの巨木で、島根県指定天然記念物に登録されているそうです。
"こんなに大きなモミジの木があるなんて!"
何本かの木が寄せ集まっているのではないかと思うくらい、大きな大きなモミジの木。枝振りもすごいです。
横から、下から、校庭まで走り出て確かめる、大きさ。見れば見るほどに、その立派さに驚かされます。
沢谷小学校は、石原小学校として明治8年(1875年)に開校。
学舎のイロハモミジは、小学校の歴史とともに約150年間。たくさんの子供たちを見守り、送り出してきたのでしょう。
傍らに立てられていた案内版には「沢谷の掛け替えのない宝物」と記されていました。
これからも、地域を見守り、守られていく、沢谷の宝です。
引き続き、県道166号線を東に進み
次に立ち寄ったのは、同じく県指定天然記念物『酒谷のオロチカツラ』。
カツラの木の紅葉は疾うに過ぎていましたが、8本の太枝から"オロチ"の名が付けられた巨木と聞いたら、その大きさだけでも見に行かないわけにはいきません。
沢谷川を土手沿いに。人が通れるよう草が刈られたところを進んで行くと・・・その先に、ありました!
酒谷のオロチカツラ。
落葉を終えた幹と枝だけの姿は、逆に木の大きさを際立たせていました。
推定樹齢500年。全体の幹周は9.85m、樹高19.2m。枝張りは25~30m。8本の支幹は、正にヤマタノオロチ。
カツラの木は、3~4月に葉に先立って花が咲きます。たった数日、炎のように赤く色付くそうです。その後に葉が黄色く芽吹き、6月の終わりには緑色の葉を広げ・・・10月下旬には再び黄色く紅葉し落葉するという、不思議な木です。
今度はその色付きを、見てみたい。酒に酔い舞うヤマタノオロチのように見えるでしょうか。
近くの酒谷光八幡宮にも参拝しました。ここは、樹齢数百年という大イチョウが有名な神社。
イチョウの葉は殆ど落ちてしまっていましたが、黄色い絨毯を満喫することができました。
酒谷光八幡宮
酒谷光八幡宮のイチョウの絨毯(2018.11.19)
この銀杏が色づく期間中、地元の方によって夜のライトアップが行われるそうです。
すぐ隣の田んぼには水が張られ、『逆さ銀杏』を映す演出もされていました。見物用のスペースまで用意されていましたよ。
酒谷光八幡宮 逆さ銀杏の演出
葉が落ちる前に訪れることができたら、きっと幻想的な風景を見ることができると思います。
美郷町の紅葉スポットは、他にもたくさんあるようです。見頃を向かえた頃にまた、訪れたいです。
ー美郷町の紅葉情報ー
「紅葉の里 秋の美郷めぐり」(美郷町観光協会)
最後は、県道166号線を飯南町方面へ。光八幡宮を出てすぐ。もみじ街道を通り帰ります。
道路沿いに植えられたモミジの並木。「酒谷もみじ街道」の旗が立てられ、夜には光八幡宮の大イチョウと同じく、街道のモミジがライトアップされるそうです。
紅葉の赤を味わい、晩秋の美郷町の旅を終えました。
訪れたどの場所も、地域の方の手によるものでしょうか。落ち葉の清掃や草刈り等、丁寧に手入れされていて、どこへ行っても気持ちの良い時間を過ごすことができました。
秋色の美郷町。自然の色付き、美しさの中に、町の方々の真心がキラリと覗く、素敵な名所ばかりです。
秋の都賀本郷
秋の江の川
学舎のイロハモミジ(2018.11.19)