水源公園 ~清流 高津川が生まれるところ
2016年06月09日
地図でみても長~い島根県。その西南端に位置するまち、吉賀町。
西中国山地の山間地帯にあり、安蔵寺山など1,000メートル級の山々に囲まれた中山間地域です。
「吉」の字を図案化した町章にも、森林を表す緑色に太陽の黄色、そして水を表す青色が使われていて、水と緑の自然豊かな、環境に恵まれたまちであることを伝えています。
(吉賀町 町の紹介)
青色が表す水。
吉賀町は、まちの真ん中あたりをほぼ南北に、一級河川 高津川が流れています。
これまで何度も清流日本一に輝いていて、鮎釣りが盛んな川、
一級河川としては日本で唯一、支流を含めダムがありません。
(吉賀町 高津川の紹介)
まちにきれいな川が流れている。
それは素晴らしいことですが、それだけでさぁ行ってみよう!とすぐには腰が上がらないかもしれません。
でも、このまちで川が生まれている。
"川が始まる場所"に、行って見られるのだとしたら・・・・!!
その場所は<水源公園>にある<大蛇ヶ池(だいじゃがいけ)>という池。
ここに高津川の源流が湧き出ています。
一級河川で水源が特定されているのは珍しいことなのだそうです。
池のほとりには<一本杉>が立っています。
高さ20m、根回り5m、樹齢1000年以上といわれ、島根県の名樹100選のひとつです。
池と大きな1本の杉、お社と鳥居・・神聖な気配に心が静まります。
水源公園内には展示施設<水源会館>があり、
高津川やこの地域の歴史・文化・自然が紹介されています。
木をふんだんに使った建物で、館内に入っても
自然に包まれる居心地のよさはそのままに知的好奇心まで満たされます。
(冬期12月から2月は閉館 ※ただし1月2日から4日は開館)
この<水源公園>は、毎年6月の第3日曜日に雨乞い神事、水源祭りの舞台になります。
大干ばつがあった昭和14年を最後に途絶えていた神事を、まちのひとが声をあげ、
平成4年に復活させたそうです。
神事では、社で厳かに祝詞があげられると、藁でつくった巨大な龍を男衆が担いで会場を練り歩き、
クライマックスには大蛇ヶ池に飛び込んで龍を水にくぐらせ、
"暴れる龍"を<一本杉>に巻き付ける!
この迫力は生でみてみたいものですね。
当日は地元神楽の上演やよさこい踊り、バザーなど楽しいイベントも行われます。
また前日の土曜日には<水源会館>を会場に前夜祭があり、奉納される龍がお披露目されるそうです。
この公園にあるしょうぶ園も同じころ、5月下旬から6月下旬にかけて満開になります。
中国自動車道六日市ICから向かうとすると、16号線を東へ車でおよそ10分。
川がはじまる場所。
今日もそこへ行けば、<一本杉>に見守られ水をたたえた池をみることができるのでしょう
当たり前のようで当たり前ではない
自然の恵みに生かされていることを思い出す、静かで清らかなところでした。