吉賀町の雨乞い神事 水源祭
2019年07月01日
至極穏やかな水源公園に、お囃子が聞える。
今日は、6月第3週目の日曜日。
高津川の水源地、大蛇ヶ池の淵にはたくさんの人集りができています。
普段は湧き出す水の音が聞えてきそうなくらい、静けさが広がる場所。
その大蛇ヶ池に・・・
「わーーーーっ!」 というかけ声とともに、
藁の龍を担いだ一団が、池の中に勢いよく走り込んでいきました!!
吉賀町の雨乞い神事、水源祭。
平成4年から開催されているお祭ですが、その歴史はとても古く…
この土地でかつて旱魃のときに行われていた雨乞い神事を、地元の方々が復活させたお祭だそうで、
復活前に最後に雨乞い行われたのは昭和14年。当時を知る人に話を聞き、手探りでつくり上げられたものです。
そんな水源祭は、行われるごとに変化を続けていると聞きます。
一団が担ぐ藁でつくられた龍の大きさは、約12メートル。
これも地元の方の手作りと聞いて、驚きました。精巧に作られていて、しっかりとした歯もあるんですよ。
この藁龍も、最初はもっと簡素なものだったのが、回を重ねるごとに熟練し、今ではものすごいクオリティーになっています。
担いだ龍を水にくぐらせながら、「わっしょい、わっしょい」と掲げ、暴れまわらせる姿。
それを笑顔で見守るたくさんの人。
神事に参加されている方々が、のびやかに立ち振る舞う姿が、とても印象的でした。
新しく始められたお祭りだからこその自由さと、それを生み出すことのできる吉賀町の土壌、懐の深さを見たように思います。
ここからは、お祭りの様子を時系列でご紹介していきます。
【13:00】 開始(説明)
【13:15】 神社前に担ぎ手が集まり、祝詞が読まれる。
【13:30】 藁龍を担ぎ、水源公園内を練り歩く。
途中、獅子舞のように人々の頭を噛んで歩く藁龍。
【13:40】 池のほとりで藁龍が神主さんからお神酒を飲まされる。
【13:45】 一団が池に飛び込む!!(リハーサルはなく一発本番で臨むらしいです!)
【13:50】 池から上がり、一本杉へ藁龍を担いで行く。
【13:55】 一本杉の枝に藁龍を巻き付ける。
【14:00】 神事は終了。
ここは、高津川の水源地。
静かに静かに水の湧き出す大河の始まりで、恵みの雨を願う。
吉賀町って、奥深くて、とても面白いところです。