乱暴者の神様スサノオノミコトが姉のアマテラスに高天原を追放され、出雲国の鳥髪の地(奥出雲町)に天降り、そこで人々を苦しめていたヤマタノオロチを退治するという神話「ヤマタノオロチ伝説」。

島根県民であれば、おそらく誰でも知っているはず。

 

奥出雲町(地図)

奥出雲町地図

一方で、このスサノオノミコトが出雲の国へ向かう前に、最初に上陸した地として言い伝えられている場所が、大田市にあることは、あまり知られていないかもしれません。

大田市(地図)

大田市地図

「神様が上陸した地」=「神様に選ばれた地⁉✨」⇒「行ってみた~い!」

 

というわけで今回まちなびスタッフが向かったのは、大田市五十猛(いそたけ)町。

到着したのは、ふぐのみりん干しをはじめ、水産加工品で有名な「和田珍味」本店です。

 

和田珍味本店(外観)

 

令和2年3月にリニューアルしたばかりの明るい店内には、名産ふぐのみりん干しをはじめ、島根や石見のお土産・地酒・焼き物がきれいに並べられています。

また、店の奥にはおしゃれなカフェも併設。絶品のパンケーキや軽食が楽しめます。

店内1  店内2

 

それにしても、なぜ今回和田珍味本店に訪れたのか・・・

 

それにはまず、お店が建っている場所に関係が。

お店の目の前には、日本海がどーん!

日本海

 

駐車場は国土交通省が指定する「とるぱ(写真を撮るパーキング)」で全国人気ランキング1位を獲得するほどの絶景スポットです。

とるぱ  テラスからの眺め

実はこの絶景の中に、今回の目的である「神様が最初に上陸した地」“神島”が見えるのです。“神島”は、スサノオノミコトが新羅国から出雲の国に向かわれる途中、上陸地点を探すのに船を泊めて、対岸を観察された場所といわれています。

神島パネル

和田珍味さんは古くからこの地で海産物の加工品を製造、販売してこられるなかで、五十猛町に伝わるスサノオ伝説や、周辺の絶景を、”伝える”という活動もされていて、神話スポットや絶景を地元のガイドさんと一緒にめぐる、まち歩きの案内もされています。

 

私たちも早速、和田珍味スタッフさん手作りの「神島・神話 灯台絶景めぐりマップ」を片手に、和田珍味取締役 和田貴照さんに案内していただきながら、この周辺を散策してみることに。

神島マップ

 

まず向かったのは、絶景スポット“大崎ヶ鼻”。

大崎ヶ鼻

大崎ヶ鼻には、60年以上五十猛の安全を守り続けている大岬灯台が建っています。

道中の景色も楽しみながら向かいます。

海岸風景

お寺からの風景

景色の素敵なお寺を通り抜け、

山道

山道を散策し、

石碑

「人麻呂の悲しみ残る五十猛の辛の崎をここと定めんか 梅原猛」

・・・石碑と出会い、

 

着いた大崎ヶ鼻は、まさに絶景!

神島も目の前に!

大崎ヶ鼻

高所恐怖症の私は下を見ると足が震えます。

 

次に向かったのは韓神新羅神社。

スサノオノミコトを主祭神としているこの神社、名前からしても朝鮮半島との関わりを連想させ、古代のロマンを感じるスポットです。

韓神新羅神社

韓神新羅神社からの眺め

韓神新羅神社からの眺め

 

今回は行けませんでしたが、五十猛町にはこの他にも、スサノオ一行が本土に上陸する際に通ったといわれる場所“神上”や、神々が別れた“神別れ坂”など、神話にまつわるスポットが沢山!

 

個人的には漁港の町並も風情があって、ずっと散策していたい場所です。

町並

 

和田珍味さんは、五十猛町に伝わる神話を後世にも伝え残したいと「スサノオ・イソタケル伝説」の絵本も制作しておられます。

 

挿絵も綺麗でとても読みやすいこの絵本は、しまねまちなびの「市町村情報コーナー」にも置かせていただきました。

是非沢山の人に読んで欲しい1冊です。

絵本

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵本の表紙

 

よく知っていると思っていた「スサノオ神話」。

今回、その土地に伝わる神話伝承を大切に伝え残そうと活動する方々のおかげで見方が変わりました。

 

神々が上陸した場所や五十猛地区に伝わる伝説を見聞きし、神話だったものがよりリアルに。

スサノオって誰?何者だったんだろう?どんどん興味がわいてきます。

 

「神様に選ばれた地」

是非訪れてみてください。

 

和田珍味(スサノオ伝説・神島)

 

猫