安来市の南端に位置する、広瀬町西比田黒田地区。
標高約300メートル。中国山地に抱かれた小さな盆地。澄んだ水と空気、昼夜の寒暖差を活かした美味しい米を作る田圃が広がる、静かな里。

金

そんな黒田地区の田園を山奥へと入っていくと…ケラの並ぶ参道の先。

金屋子神社

その先に、『金屋子(かなやご)神社』という神社があります。

金

なんとここは、今も鉄に関わる仕事に従事している方々から信仰を集める、全国に1,200社もある金屋子神社の総本山です。

金屋子神社

たたら場に必ず祀られる金屋子神は、鉄づくりの方法を授けた神。たたら製鉄の始まりの神様。

伝承にはこうあります。

“白鷺に乗って出雲国能義郡比田村黒田の奥にあった桂の枝に飛来し、「吾は金屋子神なり、今より此処に宮居し、踏鞴(たたら)を立、鉄吹術を始むべし」と宣言して製鉄法を伝授したのち、この地に祀られたとされている。”

金屋子神社

荘厳な社殿は、全国でも珍しい総ケヤキ造り。拝殿に凝らされた細かく豪華な彫刻。

木々が生い茂る静かな山奥にあるとは思えぬほど、大変立派な神社でした。

金屋子神社

空気も澄んで、とても気持ちのいい場所。たたらの神様の総本山、出雲地方のたたら製鉄に興味のある方は、是非訪れてみてください。

金屋子神社

また神社の隣に建つ金屋子神話民俗館では、金屋子神の神話やこの地域の生活・文化の発展の歴史を学ぶことができます。

金屋子神社

今回私たちは、先にご紹介した『和鋼博物館』とセットで訪れて、たたら製鉄の世界にどっぷりと浸かってみました。

かつて日本全国の約8割を有した、山陰のたたら製鉄。その技術を伝えた、神様の存在。

金屋子神社

知れば知るほど興味をもつ、出雲國たたら風土記。たたらの総本山、ここにあり!です。