"天国に一番近い里"というフレーズを聞いたことがありますか?

天国に一番近い・・・

一体どのような処だろう?と様々なイメージが浮かびますよね。

天国というからには美しい風景が視界いっぱいに広がるハズ。

百聞は一見にしかず。

まず、言葉よりも"目"で感じていただきたい。

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松江駅付近から車で移動すること、約1時間40分(玉造IC~吉田掛合IC経由)。

邑南町役場羽須美支所まで來ると、「天国に一番近い里」と案内サインが見えてくるのでサインの方向へ走ると農道へと続きます。案内サインが見えてから約2km、やや傾斜のある農道を進んで行くと待ち焦がれていたその景色が。

「うわーーーーーーーーーっ」

言葉にならない感動とはまさに、このこと。

こんな景色、今まで見たことない!まさしく、桃源郷!

色とりどりのあまりの美しい景色に興奮というより、ほわ~っと夢心地でこの世のものとは思えない風景です。

 

この美しい風景は島根県邑智郡(おおちぐん)邑南町(おおなんちょう)の川角(かいずみ)集落にあります。

8戸13人がそこには暮らしています。

その昔、久喜銀山の山師が川角集落の米を気に入り、毛利元就が統治していた宮島にまで納めていたという記述も残るという、誇り高い米づくりの地でもあったそう。

平均年齢80歳、全員が60歳超えであり、標高も高いことから住人自ら、"天国に一番近い里"と言い始めたとか。

昭和30年代頃には30戸約100人が暮らしていたという集落ですが、世帯数は減少を辿り、空き家や耕作放棄地が目立つように。

「このままでは集落がなくなってしまう。自分たちがどうにかしなければ!」

と集落区長を中心に平成19年にまずは62本を植え始めた、花桃の木も現在は2000本にも及んでいます。

自分たちが生まれ育った土地。住人が減り、せっかくある耕作地も耕す人がいなければ、どんどん耕作放棄地として寂しい風景になっていってしまう。

「ゆくゆくは新たな住民にきてほしいが、こんな風景では住みたいと思ってくれる人もいない。

人が来てくれるような美しい風景を作りあげていこう。」

その想いから、人の手で丁寧に植えて2000本にまで増やしていった花桃の木。

草刈や剪定などを行い大切に大切に、見頃を迎えるまで見守ります。

2000本も管理していくことは容易いことではなさそうですが、集落の方は言います。

「当番制ではなく、気が付いて手が空いている人がやっている。決して無理せずに"ボチボチ"ね。年寄りばかりだからね。」と。

「でも、さほど手がかかるものでもない。この集落が花桃が育つのに適した環境なんだと思うよ。」

適した環境で、5年という長い年月をかけて川角という地に桃源郷を作り上げるべくして咲き誇る花桃たち。

今年で4回目を迎えた花桃まつりは年々来場者が増加の傾向にあり、期間中の来場者数は去年は約1200人。

今年は約2000人以上の人が訪れたそう。

遠くは広島、鳥取からもお越しになる方々の為に手作りの様々な"おもてなし"の試行がなされています。

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普段は集落の会合が行われる集会所も花桃まつりの期間中は休憩所に。

中ではセルフサービスでコーヒー、お茶などをいただくことができます。

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"天国に一番近い里"

高齢者ばかりという皮肉にも似た意味合いも含んでいるキャッチフレーズですが(集落区長さん談)、極楽浄土という言葉が持つ新たな世界への希望のように、私はこの"天国に一番近い里"を"未来に繋げる里"だと感じました。

花桃の開花時期は例年4月上旬頃で約2週間は開花期間があるそう。

是非、一度は自分の目で見ていただきたい島根の景観の一つです。