歴史文化が色濃く残る神々の国、島根県。

とは言えども、各19市町村により歴史的特色は違うんです。

今回、私たちが興味を持って行ってきたのは県内唯一の村である、隠岐郡知夫村(おきぐんちぶむら)のお大師参り(おたいしまいり)。 

さて、お大師参りとは・・・

有名な四国88ヶ所の霊場や小豆島の霊場は代表的なものですが、知夫村の「お大師参り」はそのミニュチュア版とでもいいましょうか。

この日、各地区のお堂等で浄財、物品を持ち寄り巡拝者に接待をします。

その接待が目的でお参りする人も多いとか?

各地区の女性たちは朝3時から!接待のおかずの仕込みをし始めるのだそうです。

おかずを作る当番は1年毎に交代なので、当番でない年にはお大師参りに参列できます。

弘法大師の命日は旧暦の3月21日。

すなわち、「お大師」とは弘法大師(空海)のことなのです。 

今年2015年の旧暦3月21日は、5月9日にあたります。

ちょうど、赤ハゲ山のノダイコンの花が見ごろで良い景色を視界いっぱいに堪能できました。

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この時期ならではのコラボ。牛とノダイコン。

晴れていない日の夕方だったので、夕焼けが望めず残念でしたが、それでもこの知夫村ならではの組み合わせが見れたことに感謝。

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さて、お大師参りの話題に戻りますと、現在は8地区のお堂を廻ります。

ひと昔前までは9地区だったようです。

内航船の出航までの約3時間半で8地区全て廻れるのでしょうか?

一か八かの急行でのお大師参りがスタート!!

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このようにおかずが沢山!!

到着すると女性の皆さんが「いらっしゃいませ!ようこそー!」と快く迎えてくださいます。

取り皿とお箸を渡され、各々好きなものを取っていただきます。

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お堂の裏で熱心にお地蔵様を拝んでいるおばあさん。

この日廻っている中で、お遍路姿でお参りされているのはこのおばあさんだけでした。

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ご馳走になってばかりではいけません。 心付けのお賽銭もお忘れなく!

到着すると、どちらもお茶を出してくださいます。

賽銭箱の左に置いてあるお皿には、隠岐ならではのヒオウギ貝が。

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とっても印象的だったおかず。

何かわかりますか?

おもちを薄く伸ばしたものを油で揚げ、砂糖をまぶしたお菓子だそうです。

優しい甘さと歯ごたえが良くて、とってもおいしかった~。

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知夫村は山の自然にも恵まれている為、ちょうど山椒が美味しい時期でお寿司ご飯や筍などの煮物によく添えられていました。

柏餅もありましたよ~。こちらの地区はお酒のお供えが多いせいか男性のお客さんが多かったです。

 

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「うどんが美味しい地区があるよ!」と聞いていたので「どこの地区だろう?」と楽しみにしながら廻っていました。

お出汁がいい塩梅で美味しかったです。

そして時期らしく道明寺もありましたが、こんなにかわいいサイズも!

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 卵焼きの上に盛ったもの、何かわかりますか?

神葉(じんば)といい、ホンダワラ、タワラモクなどと呼ばれる海藻で、知夫の周りの海でとれます。

大寒のころにかり取り、天日で乾燥させたり塩漬け等で保存しておき、1年中漬け物や和え物、寿司ごはんなどに使って食べるのだとか。

この神葉は、昔、皇后様がすっかり食べる物がなくなった時に食べたら元気になったことから、神(かみ)の葉(はっぱ)と書いて神葉(じんば)と呼ぶようになったそうです。

 初めていただきましたが、お酒、お砂糖、お醤油で煮つけにしてありとても美味しかったです。

海藻好きの私としては、本土に帰ってから食べれないのは残念です。

でも、そこでしか食べれない地物ってとても魅力的ですよね。

新しい島グルメを発見した後は、島根の名水百選にもなっている自然の恵みの美味しさを。

「河井のお地蔵さんの湧水」で湧水をいただきました。

狸の石造からこんこんと流れ出るという、このユーモアな湧水。

なんと一度もかれたことがないと伝わっていて、万病に効くのだとか!?

けっこうなハードスケジュールで島内を廻っていたので、このお水のおかげで残りのお大師参りを無事に終えることができそうです!!

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ところ変われば、おかずも変わります。ホットサンドがあったり、コロッケがあったり。

ほとんどの地区にフルーツポンチがあったので、きっと毎年人気なんでしょうね。

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せっかくですから、ゆっくりとおかずを味わいながら廻りたいところですが内航船の出発の時間までに全ての地区を廻るという計画を達成する為には一杯になったお腹を休憩させる時間もなく、次から次へと廻らなければなりません。

そういった慌ただしい人におにぎりだとか個包してあり、後でもいただくことができるおかずは大変、ありがたいです。

写真左は知夫と言えば!のサザエの炊き込みご飯のおにぎり。

写真右はワッフル。

といったように、お腹を休める暇なくせっせと地区から地区へと移動しては食べ、移動しては食べで島内8地区を3時間で無事に廻りきることができました!! 

仁夫(にぶ)→大江(おおえ)→薄毛(うすげ)→多沢(たたく)→郡(こおり)→松養寺(しょうようじ)→來居(くりい)→古海(うるみ)といった順序で知夫村お大師参りを制覇しました。

ほんっとうにお腹いっぱいになりました。 そして、どれもこれも美味しかったです!

どのおかずをいただく際にも、「地区の女性の皆さんが朝3時から一生懸命、作ってくださったのだなあ」と、ひとくちひとくち感謝しながらいただきました。

今年の開催は土曜日だったということもあり、グループや親子連れで廻っている子供たちをよく見かけました。

見かけた子供たちは偶然か、女の子ばかり。

皆、将来のためにおばあさん、おかあさんの頑張る姿をしっかり目に焼き付けて。

あの子たちが将来、自慢の料理の腕をふるう時がくるんだろうな、と思うと島外に住む私でも暖かい気持ちになりながら知夫村を後にしたのでした。

昔から引き継がれている風習を感じに、お出かけしてみるのも良いものですよ。