"八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる 其の八重垣を"

日本初の和歌。
この歌が詠まれたと伝わるのが、雲南市大東町須賀にある日本初之宮『須我神社』
日本初之宮

八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した須佐之男命(スサノオノミコト)は、妻となった奇稲田比売命(クシナダヒメノミコト)とともに各地をめぐり、須賀の地を新居に選ばれました。
新しく造られた宮殿を囲むようにして美しく立ち上る雲を見て、この歌を詠んだと言われています。

日本で一番最初に生まれた和歌。

日本で一番最初に造られた御宮。

この神話を発祥とするものはそれだけではなく、歌に詠まれた"出雲"が、出雲國の起源と言われています。そんな始まりの地、須我神社にお詣りに行って参りました。
須我神社大鳥居

県道松江木次線(24号線)沿いに見える、大きな鳥居。
高さ9m、幅6.4m。石造りとしては山陰最大級と言われる、須我神社の大鳥居です。 

ここから少し細い路地を車で進むと、社殿が現れました。
須我神社須我神社
二の鳥居のすぐ先には、「日本初之宮」の石碑。
須我神社の随神門

隋神門の先に見えるのは、拝殿と、日本初の和歌の碑。
須我神社

社殿はそれほど大きくありませんが、2本の大きな杉の木を両脇に建つ姿は、雰囲気があります。

須我神社に立つ2本の杉の木

図ったかように対になり立つ杉の木は、2本ともに際立つ高さで、まるで天に向かって真っすぐに伸びてゆくかのよう。
須我神社の杉の木 須我神社の本殿 須我神社の杉の木

見事に両脇に控えるように立つ2つの木。
これは"神業"なのでは?!と感じる立派さでした。

しかし、須賀の地の神業は・・・これだけではありませんでした!

須我神社の『奥宮(おくのみや)』
二宮詣りの祈念札

縁結びや良縁成就、子授・安産にご利益があるとされる須我神社には、本殿の背後にそびえる山の中腹にある奥宮へも一緒に参拝する、二宮詣りという信仰があります。

そこには、夫婦岩と呼ばれる岩が鎮座しているとのこと。
私たちも社殿横の授与所で祈念札を受け、二宮詣りへ行ってきました。


※祈念札は奥宮では受けられません。
 二宮詣りをされる方は社殿のほうへ先にご参拝ください。

☆須我神社について⇒うんなん旅ネット『須我神社』


奥宮を抱く山の名前は、八雲山
須我神社社殿から八雲山登山口までの道

登山口までは、社殿から約2㎞。
車でも行くことができます。
(行き方は、雲南市観光協会の経路マップをご参照ください。

登山口近くの駐車場に車を置いて、登る道のりは約400m。

本格的な登山の装備までは必要ありませんが、動きやすい服装、山道に耐えられる靴を用意された方が安心です。

祈念札を手に、いざ!登ります!!
八雲山

登山口の石碑に「八雲山文学碑の径」と記されているように、登山道には数多くの歌碑が並べられていました。ここは和歌発祥の地。一歩一歩、歌を眺めながら進みます。

八雲山登山口 八雲山登山道 禊場

少し登ると、『禊場』がありました。
神域を示す縄が張られ、湧水が勢い良く流れ出ています。

〝不老長寿
 神泉坂根水
 この水で身を清め 霊気を頂いて御参拝下さい。"

禊場

すっ...すごい。手水が八雲山の湧水だなんて...!!
有難く、霊気を頂く気持ちで清めて、また登ります。

須我神社奥宮の鳥居しばらくすると、鳥居が見えてきました。
鳥居を潜ると、奥宮までは真っすぐ、木階段を登っていきます。

須我神社奥宮の参道直線のためか、最後の階段は勾配がきつく感じました。
そこに自分の運動不足が追い打ちをかけるように...足取りがだんだん重くなります。
姿を現した須我神社奥宮

なんとか気合で登って行くと...目線の先に大きな岩が見えました!

夫婦岩・・・奥宮です。

奥宮 夫婦岩

ちょうど前に立ったとき、岩に陽の光が差し込んできました。神秘的な光景でした。

大きな三体の岩座。
―夫婦岩なのに岩が3つ? 

大きな岩座が、須佐之男命(スサノオノミコト)
中ほどの岩座が、奇稲田比売命(クシナダヒメノミコト)
小さな岩座が、清之湯山主三名狭漏彦八島野命(スガノユヤマヌシミナサロヒコヤシマノミコト)

3体の夫婦岩

ヤシマノミコトはスサノオノミコトとクシナダヒメの御子神様。
須我神社の3人の御祭神が、それぞれの岩に鎮座されているのです。

仲良く並んだ御姿は、夫婦・親子、家族の姿。
この地で家庭を築き、御子を授かりお暮しになった神様の御姿を見るような気がします。

山中の奥宮。
澄んだ空気と静けさの中に感じる、言い知れぬ力に圧倒されつつも...どこか心地良くて、しばらく留まっていたくなるような、不思議な気持ちになっていました。

須賀の地名は、スサノオノミコトがこの地に至ったとき「我が御心清々し」と言われたことに由来しているそうです。
 

本当に、"清々しい"という表現がしっくりくるところ。
心を落ち着かせて、二宮詣りをさせていただきました。

「光を受ける夫婦岩」の拡大写真

「二宮詣り祈念札の納札箱」の拡大写真

「心地の良い空気が漂う奥宮」の拡大写真

☆須我神社奥宮について⇒うんなん旅ネット『夫婦岩 須我神社の奥宮

今回は時間の都合で断念しましたが、奥宮からさらに登ると、八雲山の山頂まで行くことができるそうです。山頂からは宍道湖や大山まで眺めることができるとのこと。きっと再び二宮詣りに訪れて、山頂まで上がってみたいと思います。


縁結びの夫婦松最後に、話を社殿のほうに戻しますが...
二の鳥居の前にある池。ここにも神業がありました。

この池は太古の昔は温泉が湧いていたそうで、スサノオノミコトとイナタヒメが入浴されたと伝わっています。

いずれお湯は湧かなくなり今は池に変わってしまいましたが、池の中から松の木が生えていました。この松は『縁結びの夫婦松』と呼ばれていて、男松と女松がひとつの株から生える珍しい松なのだそうです。


ここは、神話の舞台。
清々しい気配の中に、スサノオノミコトとクシナダヒメ夫婦の物語が確かに残る、奥深いところです。

「日本最初の和歌」の拡大写真

「須我神社」の拡大写真

「須我神社の奥宮」の拡大写真